廃用症候群リハビリテーションとは

内科疾患などの手術後や保存治療により長期療養・長期臥床のため、筋力や体力低下、関節拘縮を併発してしまった状態を廃用症候群といいます。
廃用症候群となってしまった患者様に対して、リハビリテーションを実施しています。
関節拘縮改善や筋力向上、体力向上を促進し、歩行や日常生活が円滑に行えるようサポートします。


廃用症候群(内科疾患治療後)・高齢者リハビリテーションの特徴

廃用症候群(内科疾患治療後)・高齢者リハビリテーション特徴

廃用症候群・高齢者リハビリテーションはリハビリテーション処方の9割が急性期他院からの転院、1割が当院即時入院となっています。
平日のリハビリテーションは基本的に毎日実施し、土日祝日は職員が交代での勤務体制となっておりますが、患者様のリハビリテーションが連休にならないようなスケジュール調整を行っています。
リハビリテーション部内で廃用症候群・内科疾患・高齢者担当は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士あわせて18名(運動器担当と兼務)で、専門性の高いリハビリテーションを提供できるような体制つくりをしています。対象疾患によって理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が患者様それぞれに対して担当制をとっています。1回のリハビリテーションは40分以上を基本とし(禁忌事項や合併症などにより違いあり)、マンツーマンでのリハビリテーションを実施しています。
入院・転院後のリハビリテーションは可及的速やかに開始できるようにし、臥床期間の延長による廃用症候群の予防に努めています。内科医師と禁忌事項(血圧管理や酸素状態、食形態の管理など)について確認し、全身状態に十分配慮した形で実施します。


過去1年間のリハビリテーション治療実績

廃用症候群(以下の急性疾患の治療・手術後)

ウイルス性腸炎、肺炎、脱水症、横紋筋融解症、肺癌、胃癌、肝臓癌、大腸癌、胆道感染症、胆嚢炎、イレウス、自己免疫疾患、全身打撲、熱中症、無菌性髄膜炎、関節リウマチ急性増悪、心不全急性増悪、十二指腸潰瘍、慢性心不全、拡張型心筋症、腹膜炎、尿路感染症、蜂窩織炎、高カリウム血症、低カリウム血症、高カルシウム血症、低ナトリウム血症、心筋梗塞、憩室出血、破傷風、胆管結石、統合失調症、鼠経ヘルニア、偽痛風、膵炎、敗血症、ケトアシドーシス

多職種連携

医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、セラピストなど多職種が参加してカンファレンスを実施しています。在宅生活や職場復帰などに向けて多職種間で退院時の目標(ゴール)を設定しています。これを達成するため各職種の専門的介入の方針を決定することで、各職種が別々の考えにならず、チームとして一つの目標に進むようにしています。

理学療法

長期療養・長期臥床のため、筋力や体力低下、関節拘縮を併発してしまった患者様に対し、患者様の症状や目標にあわせて、関節可動域改善や筋力の回復を図り、自立した移動手段(歩行/車椅子など)の獲得や日常生活活動が円滑に行えるようサポートし、早期の退院を目指しています。対象疾患によっては、作業療法士や言語聴覚士とチームでサポートしています。
また、自宅退院に向けて必要なサービスの調整・検討を行います。

理学療法

作業療法

長期入院による体力低下、認知面低下の評価を行い、自立して安全に身のまわりの動作が行えるように練習を行います。また、自宅退院に向けて必要なサービスの調整・検討を行います。

理学療法

言語療法

廃用症候群になると、筋力や身体機能が低下してしまう「サルコペニア」が進行しやすいため、栄養管理にも十分注意を払う必要があります。
筋力の低下は飲み込みに関係する筋力も低下させるため、ムセてうまく食べられなくなる場合があります(嚥下障害)。
言語聴覚士は、誤嚥性肺炎に至る前に、嚥下障害の早期発見、嚥下のリハビリテーション、嚥下機能に見合った食事形態や食事介助方法の見極めを行います。

理学療法

退院支援

退院前家屋調査

退院前家屋調査

必要に応じ退院前訪問指導や家族指導を行い、介助方法の指導や手すり、段差解消などの住宅改修を提案させていただきます。対面で指導が難しい場合はタブレットなどICTを活用し動画などで指導を行う場合もあります。
また、必要に応じて退院後の自主トレーニングの指導など書面等でお伝えします。退院後も当院外来・通所リハビリテーションを継続する方もいます。

退院支援

早期退院に不安のある患者様は、地域包括ケア病棟へ転棟し、入院でのリハビリテーションを継続する場合もあります。

退院後のサポート

退院後も日常生活に不安がある場合には一定期間、外来リハビリテーションを行っています。
※外来リハビリテーションは、covid-19関連で休止している場合があります。


介護保険での通所リハビリテーション

介護保険での通所リハビリテーション

利用者様が可能な限り自宅で自立した生活を送ることが出来るよう、身体機能・能力の維持改善を図り、なおかつその他の介護保険サービスと協働しながら地域社会活動に積極的に参加していくことが出来るよう支援していくための介護保険サービスです。
介護保険をお持ちの方がご利用になれます。担当ケアマネジャーに相談し、ケアプランを立ててもらい、契約をする事で利用をすることが出来ます。当院の医師が主治医である必要はありません。
契約期間に限度はありません。ご利用回数は介護度によって違いがありますが週2回を限度としています。祝日を除く月曜から金曜(9:00-12:00,13:00-16:00)でご利用日(曜日・時間)は固定制になります。リハビリテーションに特化した短時間デイケアのため送迎・お食事・入浴などのサービスはありません。
当院入院歴・通院歴がある方は当時の担当者と連携し、身体機能や生活機能などの維持・拡大を目指します。
一回70分のご利用で担当療法士が30-40分マンツーマンで関わり、その他の時間はバイタルチェックや健康運動指導士と共にマシンなどを用いた筋力訓練やストレッチ等を行います。
理学療法士6名、作業療法士2名、言語聴覚士1名が在籍し個別でのリハビリテーションを提供します。健康運動指導士が2名在籍し、自主トレーニングの際のリスク管理やプログラム実施のための援助を行います。
医療機関に併設されているため、緊急時の対応が迅速に可能です。


その他、三草会グループでは退院後のサポートとして地域包括支援センター、介護予防センター、居宅介護支援事業所、認知症対応型グループホーム、認知症対応型デイサービス、小規模多機能型居宅介護、共同生活援助型グループホーム、障がい者就労継続支援B型事業などを運営しております。
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