運動器疾患リハビリテーションとは
運動器とは、骨や関節、靱帯、筋肉、手足の神経や血管等のことで、これらの部位に障害や外傷を負うことを運動器疾患といいます。
運動器疾患手術後や保存治療(手術を伴わない治療)、他院にて治療を行って転院して来られた患者様に対してリハビリテーションを実施しています。動き辛くなった関節の可動域拡大を図り、筋力の回復を促進し、歩行や日常生活が円滑に行えるようサポートします。
当院運動器疾患リハビリテーションの特徴
当院運動器疾患リハビリテーションはリハビリテーション処方の6割が当院に直接入院され、4割が急性期他院からの転院となっています。
平日のリハビリテーションは基本的に毎日実施し、土日祝日は職員が交代での勤務体制となっておりますが、患者様のリハビリテーションが連休にならないようなスケジュール調整を行っています。
リハビリテーション部内で運動器リハビリテーション担当は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士あわせて18名(廃用症候群・内科疾患・高齢者担当と兼務)で、専門性の高いリハビリテーションを提供できるような体制つくりをしています。対象の疾患によって理学療法士、作業療法士が患者様それぞれに対して担当制をとっています。1回のリハビリテーションは40分以上を基本とし(禁忌事項や合併症などにより違いあり)、マンツーマンでのリハビリテーションを実施しています。
手術後・転入院後のリハビリテーションは可及的速やかに開始できるようにし、臥床期間の延長による廃用症候群の予防に努めています。手術後は、早ければ翌日にリハビリテーションが開始されます。主治医より禁忌事項(やってはいけない動き)の指示がある場合も、安全性に十分配慮した形で開始します。
過去1年の運動器リハビリテーション治療実績
上肢
肩腱板断裂、上肢骨折(橈骨遠位端骨折、上腕骨骨折、鎖骨骨折など)、テニス肘、人工肩関節置換術、手根管症候群、母指CM関節症、TFCC損傷、末梢神経障害など
下肢
変形性関節症(股・膝・足など)、人工関節置換術(股・膝)、下肢骨折(大腿骨頚部骨折、膝蓋骨骨折、脛骨高原骨折、足関節骨折、踵骨骨折、骨盤骨折など)、半月板損傷、ACL損傷、アキレス腱断裂、外反母趾、など
脊椎
腰部脊柱管狭窄症、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊椎椎体骨折(脊椎圧迫骨折)、化膿性脊椎炎、頚椎症性脊髄症など
多職種連携
医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、セラピストなど多職種が参加してカンファレンスを実施しています。在宅生活や職場復帰などに向けて多職種間で退院時の目標(ゴール)を設定しています。これを達成するため各職種の専門的介入の方針を決定することで、各職種が別々の考えにならず、チームとして一つの目標に進むようにしています。
理学療法
上肢(肘・肩関節)、下肢、脊椎疾患に対して、専門的なリハビリテーションを実施します。患者様の症状や目標にあわせて、関節可動域改善や筋力の回復を図り、自立した移動手段(歩行/車椅子など)の獲得や日常生活活動が円滑に行えるようサポートし、早期の退院を目指しています。疾患によっては、作業療法士や言語聴覚士とチームでサポートしています。
また、自宅退院に向けて必要なサービスの調整・検討を行います。
作業療法
主に手の外科疾患に対して、専門的なリハビリテーションを実施します。手術後や保存治療の関節拘縮予防のための関節可動域訓練や筋力訓練、物品等を使った巧緻動作練習を行います。利き手の場合、実生活に即した箸操作、書字動作を行います。また必要に応じて家事動作の練習や復職に向けての動作練習を行います。
長期入院による体力低下、認知面低下の評価を行い、自立して安全に身のまわりの動作が行えるように練習を行います。また、自宅退院に向けて必要なサービスの調整・検討を行います。
退院支援
退院前家屋調査
必要に応じ退院前訪問指導や家族指導を行い、介助方法の指導や手すり、段差解消などの住宅改修を提案させていただきます。対面で指導が難しい場合はタブレットなどICTを活用し動画などで指導を行う場合もあります。
また、必要に応じて退院後の自主トレーニングの指導など書面等でお伝えします。退院後も当院外来・通所リハビリテーションを継続する方もいます。
退院支援
早期退院に不安のある患者様は、地域包括ケア病棟へ転棟し、入院でのリハビリテーションを継続する場合もあります。
退院後のサポート
退院後も日常生活に不安がある場合には一定期間、外来リハビリテーションを行っています。
※外来リハビリテーションは、covid-19関連で休止している場合があります。
介護保険での通所リハビリテーション
利用者様が可能な限り自宅で自立した生活を送ることが出来るよう、身体機能・能力の維持改善を図り、なおかつその他の介護保険サービスと協働しながら地域社会活動に積極的に参加していくことが出来るよう支援していくための介護保険サービスです。
介護保険をお持ちの方がご利用になれます。担当ケアマネジャーに相談し、ケアプランを立ててもらい、契約をする事で利用をすることが出来ます。当院の医師が主治医である必要はありません。
契約期間に限度はありません。ご利用回数は介護度によって違いがありますが週2回を限度としています。祝日を除く月曜から金曜(9:00-12:00,13:00-16:00)でご利用日(曜日・時間)は固定制になります。リハビリテーションに特化した短時間デイケアのため送迎・お食事・入浴などのサービスはありません。
当院入院歴・通院歴がある方は当時の担当者と連携し、身体機能や生活機能などの維持・拡大を目指します。
一回70分のご利用で担当療法士が30-40分マンツーマンで関わり、その他の時間はバイタルチェックや健康運動指導士と共にマシンなどを用いた筋力訓練やストレッチ等を行います。
理学療法士6名、作業療法士2名、言語聴覚士1名が在籍し個別でのリハビリテーションを提供します。健康運動指導士が2名在籍し、自主トレーニングの際のリスク管理やプログラム実施のための援助を行います。
医療機関に併設されているため、緊急時の対応が迅速に可能です。
その他、三草会グループでは退院後のサポートとして地域包括支援センター、介護予防センター、居宅介護支援事業所、認知症対応型グループホーム、認知症対応型デイサービス、小規模多機能型居宅介護、共同生活援助型グループホーム、障がい者就労継続支援B型事業などを運営しております。
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